INAPPYさん
第2回目のCATERPYランナーインタビューです。
CATERPYを愛用していただいているランナーの方々に、ランニングに対する意気込みや、
トレーニングに対する取り組み、モチベーションの維持方法、そしてレースに挑む際の心構えについてお話を伺います。
今回は、日本ランニング協会認定ランニングアドバイザーであり、CATERPYランニングクラブのボランティアスタッフである 、サブスリーランナー、INAPPYさんにインタビューをお願いしました。
1.まず初めに、ランニングを始めたきっかけを教えてください!
2015年の夏、私の勤務先が購入していた東京マラソン2016の出場枠が空いており上司から勧められ出場する事になったのがきっかけ。
当時は喫煙者であり、スポーツと言えばゴルフと登山をする程度でした。
マラソンと全く無縁だった私が東京マラソンに出場が確定してからは一大決心。自宅にあった買い置きのタバコも灰皿も全て処分し、きっぱり禁煙生活をスタート!
会社のランナーから情報を得て、まずはランニングシューズやウェアを買い揃えました。その時にスポーツショップのレジカウンターに置かれたランニングレッスンの案内を見て、その場で申し込み、2週間おきのコーチレッスンと個人練習を繰り返す特訓が始まりました。コーチから与えられた練習メニューを黙々とこなす中、体のあちこちが筋肉痛になりました。
そして東京マラソンの1か月前に品川の大田スタジアムを周回する30キロマラソンに出場し、何とか完走するレベルまで辿り着きました。この半年間はあっと言う間に過ぎた記憶があります。
現在、どのような距離やペースで走っていますか?
2024年に入ってからは、2022年、2023年と比べると練習量も半減しています。月間走行距離は約150km、ペースは04:00~04:30/kmです。その裏には、腸脛靱帯炎や足底腱膜炎など脚の故障による練習量の制限と週に2~3回の治療、クロストレーニングとして採り入れているスイミングや家庭に費やす時間があります。
今はどのような大会やレースに出場していますか?
私がメインに考えているのは、日本陸連公認のフルマラソン大会です。
これまで約8年間のマラソン人生でフルマラソンは30レース、ハーフマラソンは20レース以上に出場しました。年間平均4~5レースを目標にしています。
そのほか夏場はトレイルランニング、昨年からトライアスロン大会に挑戦し始めました。
2. トレーニングについて
週に何回、どれくらいの距離を走っていますか?
現在は週に4~5日、距離は平均40km程度です。平日夜2~3日、週末は2日間走る様に心がけています。平日は最低5kmをノルマに、早く帰宅した日は10km、週末は20~30kmを目安にしています。
トレーニングはどのようなメニューで取り組んでいますか?
最近は10km程度のスピード練習と20km前後のペース走のメニューが中心です。トラックやインターバルのトレーニングがおろそかになっています。
トレーニング中に特に意識していることや気をつけていることは何ですか?
長距離のトレーニング前は、ウォーミングアップ、後のクールダウンは徹底しています。また最近意識しているのは、心拍数や呼吸方法(VO2MAX)です。そのほか足の着地位置、地面の反発の利用、目線を真っすぐ先を見る事、腕を前後に振る事、猫背にならない様に腰を上げて走る事など基礎的な事を意識しています。
また夜間帯に走る時は、明るいコースを選び、足元や車などに気を付けています。
筋力トレーニングやクロストレーニングを取り入れていますか?
クロストレーニングは、スイミング(1回当りクロールで1.5km程度)、クロスバイク(コースの高低差はその時の気分で50km程度)、筋力トレーニングは下半身全体、特に大腿四頭筋の筋力強化するためジムのマシン(レッグカール、アダクション等)を採り入れています。そして毎晩の日課はスクワットとプッシュアップを各50回行っています。
3. モチベーションやメンタルについて
モチベーションを保つために工夫していることはありますか?
何よりも私の周りに居るランニング仲間から刺激を受けてモチベーションの向上に繋げています。
そして自分と対照的に観て甘やかさない事です。「他人に優しく、自分に厳しく!」をモットーとしています。
また年齢を重ねるにつれて、基本的に身体能力が低下します。
今出来る事は、そのタイミングを大切に行動に移し、自分で一度決めた事はやり抜く事を意識しています。
走る前やレース中に気持ちを整えるためのルーティンや儀式はありますか?
レースに出場前のルーティンは、自宅周辺にある神社への参拝はマストです。無事完走できる様、目標タイム達成できる様、祈願しています。
またスタート直前は、ストレッチを入念に行い体を温める様にしています。
レース中は、早くゴールしてビールを飲みたい一心で走っています。
走っているときの「壁」にどう対処していますか?
レースはスタートしてからずっと、全力疾走で追い込んでいるので、5km、10km、20km、30kmと節目ごとに次々と壁が訪れます。
その時は常にキツイ練習をやり切ってきた事やランニング仲間との約束などを思い起こし、自身を鼓舞しています。
特に地方遠征して参加するマラソン大会は、壁を打ち破る意識が強く表れます。
過去に諦めかけたことはありますか? その時はどう乗り越えましたか?
自分の意志でDNFしようと思ったことはありません。
今のところレース中に痙攣やけがを起こしたことが無いのは幸いな事です。
4. 食事・体調管理について
トレーニング中やレース前に特に意識している食事や栄養はありますか?
トレーニング中はあまり水分を摂る習慣がありませんが、トレーニング後はプロテインを飲む様に心掛けています。
レース前の食生活で気を付けている事は、揚げ物や生ものを控える、禁酒する、動物性たんぱく質(特に牛肉)を多めに摂取します。
本命レースの場合は、1週間前から大好きなビールをノンアルコールで我慢しています。
その分、レース完走後のビールは格別の美味しさなのです(笑)。
レース前や長距離のトレーニングでのエネルギー補給の方法を教えてください。
レース前に限りませんが定期的に「イミダゾールジペプチド」を摂取しています。
レース前は、カフェインの摂取やマグネシウムを脚に塗布しています。
レース中は様々なアミノ酸が豊富なエナジージェルを10kmを目安に摂取しています。
いつも3~4本のジェルを持ってレースに出ますが、お守り代わりに持ったまま摂取しない時もあります(笑)。
ランニング中に使用しているギアやウェア、サプリメントでおすすめはありますか?
ギアについて、まずシューズですが、本レースはカーボン搭載のシューズを履いています。
ただ練習はカーボン無しの薄底シューズで接地する感覚を重要視しています。
そしてシューズの次に重要視しているのは”靴ひも“です。
元々シューズに付属する靴ひもではなく「MAGIC LACE」という靴ひもに変えています。
フルマラソンや長距離を走る場合、足はむくみ、足の形は徐々に変化します。
そんな中「MAGIC LACE」は伸縮しながら足にフィットするので、足の疲労感を軽減してくれます。
「MAGIC LACE」はカラーも豊富でシューズに合せて選べます。その日の気分で変えるのも楽しいです。
またサプリメントは、エナジージェルを摂取します。最近は「CARNO POWER」「FULL SPE」 を愛用しています。
食事面では日頃からアミノ酸の豊富な食品(例えば、動物性たんぱく質、発酵食品等)を選択し、食べ合せも意識しています。
疲労や怪我の予防のために行っていることは何ですか?
1週間に2~3回のスポーツ整体に通院しています。
また月に1~2回は行き付けの中国整体でじっくり2時間かけて全身をほぐしています。私は体が硬いのでストレッチを兼ねています。
5. 目標や今後の展望について
現在の目標や挑戦したいレースについて教えてください。
マラソンでは、これまで7回のサブスリーを達成しましたが、PB(2時間54分05秒)の更新です。欲を言えば1度でいいから「サブエガ」を達成したいです。
また、ウルトラマラソンにも挑戦してみたいと思います。これまで42.195kmより長いレースに出たことが無いので、未知の世界を体験してみたいと思います。
これからランニングで達成したい夢や挑戦してみたいことは何ですか?
今後の計画は、2025年に富士登山競争五合目コース完走、2026年に富士登山競争山頂コース完走することです。
2026年には、富士登山競争山頂コース完走と併せて、ウルトラマラソン100km(sub10)とフルマラソン(sub3)を達成し「年間グランドスラム」が当面の目標です。
将来的にランニングを通して得たいことは何ですか?
何よりも第一に「健康」です。60歳になってもフルマラソンを完走できる体力を備えておきたいです。
またランニングを通して得られた大切な人とのご縁を育みながら大切にしていきたいです。
6. 個人的なエピソード
ランニングを通じて学んだことや得たものは何ですか?
ランニングを継続してきた事で自身の体に関心を持ち、健康に対して再認識しました。
そして、通常の生活では得られない「人との出会い」です。
またランニングに時間を充てるために時間の有効利用法や大切さを学びました。
そして練習や努力は必ず報われると言う事、いくつになっても「ヤル気」さえあれば何でもできる事です。
今までで一番印象に残っているレースや出来事はありますか?
一番印象にあるのは、初めてサブスリーを達成した2022年5月のかすみがうらマラソンです。
30km過ぎの辛い地点でランニングチームの先輩方からの声援で息を吹き返しゴールできた事です。
ランニングを始めてからの変化(生活、体調、メンタル面など)について教えてください。
日常生活では時間の使い方を綿密に考える様になりました。ランニングによって、体力はアップし、体調管理がし易くなりました。風邪を引く事も減り、明らかに免疫力が向上したと実感しています。
身体面では内臓脂肪が減少し、多少の暴飲暴食でもリカバリーできる体質になりました(笑)。
今では日頃からメンタルとフィジカルを両立して鍛える事を意識しています。
お仕事や私生活について伺ってもいいですか?
ビジネスは、都内にある食品メーカーでデスクワークをしています。
プライベートは、家族3人と愛犬の4人暮らしです。毎日、東急線と山手線の満員電車を乗り継ぎ通勤しています。
満員電車に揺られる事も体幹トレーニングだと言い聞かせる事でポジティブに捉えています(笑)。
ランニング以外のスポーツは、スイミングやゴルフ、ロードバイク、トレイルラン、登山をしています。
文化的のものでは表千家の茶道、小原流の華道などを嗜んでいます。
また、森林インストラクターとしてボランティア活動にも取り組んでいます。
7. 他のランナーへのアドバイス
これからランニングを始めたい人にアドバイスはありますか?
ランニングを始めるきっかけは、人それぞれだと思います。「思い立ったが吉日」の様にタイミングを大切にしてください!
体質改善やダイエットなどを目的にランニングを始める場合、定期的に練習を続ける事です。成果は早い人で2~3か月で表れて来ます。
まさに「継続は力なり」。自身の‟ありたい姿“を夢見て努力と練習を惜しまないでください!
自分が始めた頃に知っておきたかったことや、学んでおくとよかったと感じることは何ですか?
ランニングは、手軽に出来て健康管理に役立つと言う事。マラソンをもっと早く始めていたら、もう少し良い記録が生まれる可能性が高くなると言う事。
また、マラソンはお金がかかるスポーツだということ(笑)。でもシューズやウェアなどにこだわる事でモチベーションを維持し、持続性・継続性のアップにつながっています。
イナッピーさん、インタビューありがとうございました!
ランニングを通しての成長や挑戦の姿勢、そして日常生活や健康へのポジティブな影響が強く感じられました。
半ば強制的なマラソン出場がきっかけで始まったランニングが、趣味を超え、生活の一部として深く根付いていることが印象的です。
自身に厳しく目標に向かう姿勢や、トレーニングと家庭生活のバランスを取る工夫、そして健康第一を掲げる姿は多くのランナーにとって共感と励みになると思います。
また、サブスリーやウルトラマラソンへの挑戦など、限界に挑む姿は刺激的でした。
さらに、ランニングを通した「人との出会い」や時間の大切さ、努力が報われるという実感は、人生全般における学びとして多くの人に共有できるものです。
これからも挑戦を続ける姿が、周囲のランナーやこれから始める人々の励みになることを期待しています。
Comentarios